就労移行支援の事業所選びで、ココルポートとLITALICOワークス(リタリコ)のどちらにするか、この2択で迷う方も多いかもしれません。両社はともに全国規模の大手ですが、プログラムの設計思想、費用面のサポート、支援スタッフとの関わり方に違いがあります。
障害者総合支援法に基づく就労移行支援は、原則2年間(最大3年)利用できる福祉サービスです。利用料は世帯所得に応じて決まり、多くの方が自己負担0円で利用できます。それだけに、どの事業所を選ぶかは就職後のキャリアにも影響します。
この記事では、両社の拠点数・プログラム・費用サポート・就職実績・定着率などを項目ごとに整理します。「どちらが自分に合いそうか」を判断する軸として、ぜひ参考にしてください。
ココルポートとLITALICOワークスの基本情報を整理する
両社の概要を把握することが、比較の出発点になります。拠点数や展開エリアは、実際に通えるかどうかに直結するため、最初に確認しておくとよいでしょう。
ココルポートの概要
ココルポートは株式会社ココルポートが運営する就労移行支援で、精神・発達・知的・身体の障害がある方を主な対象としています。公式サイトの2026年4月1日時点の情報では、就労移行支援事業所87拠点、就労定着支援事業所72拠点、自立訓練事業所46拠点など合計133事業所を展開しています。
関東・東海・関西・九州を中心に展開しており、駅からのアクセスが良い立地の事業所が多いのが特徴です。「個別最適化」を理念に掲げ、利用者一人ひとりのペースに合わせた支援計画を重視しています。
LITALICOワークスの概要
LITALICOワークスは株式会社LITALICOが運営する就労移行支援です。拠点数は全国158拠点(2025年6月末時点)で、北海道から沖縄まで幅広いエリアに展開しており、拠点数では業界最大規模です。
対話・グループワーク・企業インターンシップを通じた実践的なプログラムを重視しており、企業との連携実績も豊富です。累計就職者数は業界No.1の実績として公式に掲げられており、利用者満足度は92%(公式サイト記載)となっています。
基本スペック比較
| 項目 | ココルポート | LITALICOワークス |
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ココルポート | 株式会社LITALICO |
| 拠点数 | 133事業所(2026年4月時点) | 158拠点(2025年6月末時点) |
| 対象障害 | 精神・発達・知的・身体・難病 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
| 利用期間 | 最大2年(条件により延長可) | 最大2年(条件により延長可) |
| 見学・体験 | 無料 | 無料 |
- 両社ともに障害者総合支援法に基づくサービスであり、自己負担額の上限は国の制度で定められています。
- 拠点数はLITALICOワークスが多く、地方在住の方はエリアカバー率が高い傾向があります。
- ローカルエリアでは片方のみの展開になる場合もあるため、まず各社公式サイトで近隣事業所を確認することをおすすめします。
プログラム内容と学べるスキルの違い
就労移行支援を選ぶうえで、訓練内容の違いは重要な判断軸です。両社はプログラムの設計思想が異なり、自分の課題や目標によって合う方が変わります。
ココルポートのプログラム設計
ココルポートはeラーニングを積極的に活用しており、5,000レッスン以上(公式サイト記載)の学習コンテンツから個人に合わせた組み合わせを設定します。MicrosoftOfficeのMOS資格対策やデザイン・プログラミングの基礎など、PCスキル系の訓練が充実しています。
事業所内での「模擬就労」にも力を入れており、報告・連絡・相談、チームでの業務遂行といった職場対応力を段階的に身につける構成になっています。週2日から通所を始められる柔軟さも特徴で、体調や生活リズムを整えながら利用できます。
LITALICOワークスのプログラム設計
LITALICOワークスは200種類以上のプログラム(公式サイト記載)を持ち、対話とグループワークを中心に据えた構成が特徴です。自己分析や自己理解を深める訓練に力を入れており、「自分に合った働き方を見つける」プロセスを重視します。
企業インターンシップ(企業実習)は4,500社以上と連携しており、実際の職場環境を体験する機会が豊富です。就職活動に向けた応募書類の作成や面接練習も、多数の就職支援実績を背景にした実践的な内容になっています。
ococルポートは「自分のペースでコツコツ学びたい」「PCスキルを具体的に身につけたい」方に向いています。
LITALICOワークスは「仲間と意見交換しながら進めたい」「企業実習で実際の職場を体験したい」方に向いています。
どちらが優れているわけではなく、自分の学習スタイルとの相性が鍵になります。
- ここルポートのeラーニングはMOS資格対策など職種に直結するスキル習得に強みがあります。
- LITALICOワークスのグループワーク中心の設計は、コミュニケーション面の課題に取り組みたい方に適しています。
- 両社ともに個別支援計画を作成し、定期的な面談を通じて内容を見直す仕組みを持っています。
就職実績と定着率から見る支援の成果
事業所を選ぶ際、「本当に就職できるのか」「就職後も長く続けられるか」は多くの方が気にするポイントです。両社の公開データをもとに整理します。
ここルポートの就職実績
ここルポートの公式サイトでは、累計就職者数5,587名(2026年2月時点)と記載されています。就職後6か月の職場定着率は89.7%(2024年度実績)で、厚生労働省の公表する全国平均68%を大きく上回っています。
事業所1か所あたりの就職者数は業界平均の約3倍ともいわれており、利用者規模に対する支援密度の高さがうかがえます。年間900名以上の就職実績を継続しており、規模の拡大に合わせて支援体制も整備されてきています。
LITALICOワークスの就職実績

LITALICOワークスは累計就職者数を「業界No.1」として公式に掲げていますが、具体的な数字は非公開です。就職後6か月の定着率は89.2%(公式サイト記載)で、ここルポートとほぼ同等の水準です。
就職先は事務職・サービス業・軽作業から大手企業まで幅広く、企業インターンシップの実績を活かした就職支援が強みとされています。就労定着支援は法定の6か月を超え、最大3年半まで継続できる(本人・企業の同意が必要)と案内されています。
定着率の比較
| 項目 | ここルポート | LITALICOワークス |
|---|---|---|
| 就職後6か月定着率 | 89.7%(2024年度実績) | 89.2%(公式サイト記載) |
| 全国平均定着率 | 68%(厚生労働省公表) | |
| 就労定着支援の継続期間 | 就職後6か月〜 | 最大3年半(条件あり) |
- 定着率は両社ともに約90%と高水準で、支援の質に大きな差は見られません。
- 就職後の定着支援の継続期間については、LITALICOワークスが最大3年半対応している点が特徴です。
- 実績データの公開範囲が各社で異なるため、最新の数値は各公式サイトで確認することをおすすめします。
費用サポートと通所負担の違い
就労移行支援の利用料は国の制度で定められており、多くの方が自己負担0円で利用できます。ただし、日々の交通費や昼食代は事業所によって対応が異なるため、実際の経済的負担を比較する際は重要なポイントになります。
利用料の仕組み
障害者総合支援法に基づく就労移行支援の自己負担は、前年度の世帯所得に応じて上限が決まります。生活保護受給世帯・市区町村民税非課税世帯は負担0円、市区町村民税課税世帯(所得割16万円未満)は上限月額9,300円、上記以外は上限月額37,200円です。
厚生労働省の資料では、実際には約9割以上の利用者が自己負担0円で利用しているとされています。ただし、利用料はあくまでも上限額であり、実際の負担額は利用状況や事業所によって異なります。詳細は居住地の自治体障害福祉窓口で確認してください。
ここルポートの交通費・昼食サポート
ここルポートは交通費補助(月額上限1万円)と昼食提供制度を設けており、大手就労移行支援の中でも経済的サポートが手厚い点が特徴です。毎日の通所にかかる費用を大幅に抑えられるため、利用者の経済的負担軽減につながっています。
ただし、各種制度には利用条件があり、事業所によって提供形態が異なる場合があります。見学時に事業所スタッフへ直接確認しておくとよいでしょう。
LITALICOワークスの費用面
LITALICOワークスの交通費・昼食代は原則として自己負担です。ただし、居住する自治体によっては交通費の補助制度が利用できる場合があるため、お住まいの市区町村の障害福祉窓口への確認が有用です。
経済面のサポートよりも、豊富な企業連携や業界最大手の就職サポートに強みを置いた設計といえます。通所費用を抑えたい場合はここルポートが選択しやすく、就職後の長期サポートや企業ネットワークを重視する場合はLITALICOワークスが選択肢になります。
交通費(月約1万円)と昼食代(月約1万円)が自己負担になる場合、月2万円程度の差が生じる可能性があります。
ここルポートのサポートを利用できれば、年間で約24万円の節約になる計算です。
ただし制度の利用条件は事業所ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
- 就労移行支援の利用料自体は国の制度に基づくため、両社に差はありません。
- 交通費・昼食サポートの有無が日々の実質的な負担額に影響します。
- 自治体によっては独自の交通費補助がある場合もあるため、居住地の障害福祉窓口で確認すると安心です。
サポート体制と雰囲気の違いから合う事業所を見極める
制度や数値だけでは見えてこない「支援員との関わり方」や「事業所の雰囲気」は、長く通い続けられるかどうかに大きく影響します。口コミや見学時の観察を通じて、自分との相性を確かめるのが現実的なアプローチです。
ここルポートのサポートの特徴
ここルポートは個別支援を重視しており、支援員が一人ひとりとじっくり向き合う時間を大切にしています。精神保健福祉士や臨床心理士、キャリアコンサルタントなどの専門資格を持つスタッフが在籍している事業所もあり、専門的な相談がしやすい環境です。
事業所の雰囲気はアットホームで静かな環境が多く、大勢の中での訓練よりも自分のペースで進めたい方に合う傾向があります。口コミでは「スタッフが親身に話を聞いてくれた」「eラーニングでMOSの資格が取れて自信がついた」といった声が見られます。一方で、「もっと積極的に背中を押してほしかった」という声もあり、主体性が求められる面があることも念頭に置くとよいでしょう。
LITALICOワークスのサポートの特徴
LITALICOワークスは業界最大手として蓄積した支援ノウハウと、企業との強い連携を活かした組織的なサポートが特徴です。グループワークや利用者同士の交流が活発で、切磋琢磨できる環境を求める方に向いています。
就職後の定着支援は最大3年半(本人・企業の同意が必要)まで対応しており、就職後も継続的な相談窓口として機能します。口コミでは「求人の選択肢が広かった」「就職後のサポートが手厚い」という声がある一方、「カリキュラムが決まっていて柔軟性が低い」と感じる方もいます。
見学時に確認したい項目
どちらの事業所も無料で見学・相談が申し込めます。見学の際は、スタッフの対応の丁寧さ、利用者の雰囲気、設備の状況(PC環境・個別相談スペースなど)、通所しやすい立地かどうかを実際に確かめるとよいでしょう。
可能であれば2社以上を見学し、比較することが判断の精度を高めます。1社だけ見ると基準が定まりにくいため、異なる特徴を持つ事業所を複数体験してみることが、後悔のない選択につながります。
・スタッフの言葉遣いや対応の雰囲気は自分に合うか
・利用者が落ち着いて訓練に取り組めている環境か
・プログラムの内容を見学・体験できるか
・PC環境や個別相談スペースなど設備面はどうか
・交通費サポートや昼食の扱いを確認済みか
- 見学は利用開始前の最重要ステップです。事業所ごとに雰囲気は異なるため、複数箇所を比較するとよいでしょう。
- 支援員との相性は継続利用に大きく影響します。初回見学で「話しやすいか」を確かめておくと安心です。
- 見学時に就職実績や定着率の最新データを直接スタッフに確認することで、公開情報との差異も把握できます。
まとめ
ここルポートとLITALICOワークスは、どちらも就労移行支援の大手として高い定着率と就職実績を持ちますが、プログラムの設計思想・費用サポート・事業所の雰囲気に明確な違いがあります。
まず自分の優先項目(経済的サポート・PCスキル習得・グループ交流・企業実習の豊富さなど)を整理した上で、両社の無料見学に申し込んでみることが最初の一歩です。
制度の詳細や最新の実績情報は変わることがあるため、各社公式サイトおよび居住地の自治体障害福祉窓口でも確認しながら、自分に合う事業所選びを進めていただければと思います。

